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2014.07.28

司法試験(論文試験)の答案作成方法

こんにちは。
弁護士瓦林です。

法科大学院の後輩等から、司法試験の論文答案の作成方法につき、質問されることが多いので、ご参考のため、私が受験生時代に実践していた答案作成方法をご紹介します。
但し、これから述べることは、あくまで技術的な話です。
問題の意味を理解し、一定の法的見解を頭の中では出せていることが前提条件となります。
逆に、頭の中では解決までの道筋が見えているのに、答案にするとバランスが取れた内容にならないとか、途中答案になってしまうという人には参考になるかもしれません。

一般的に、試験時間が2時間だったら、1時間を構成に、1時間を書く時間にあてる、という方が多いと思いますが、これをさらに個別の試験時の状況に合わせて具体的な答案作成計画を立てます。

例えば、構成が1時間で終わったとしたら、残り1時間なので、これをどう使うかを考えるのに5分くらいかけます。

前提として、「自分が悩みなく答案を書いたとしたら、1枚書くのに何分くらいかかるのか」を把握しておきます。仮に1枚書くのに大体10分かかるとしたら、残り55分で5枚半書ける計算になります(逆にいうと、5枚半以上は書けない状況であることを認識すべきです。)。

そのときに構成を見返して、「この問題だと、5枚半のうち、この項目については、1枚半くらい使いたい、この項目を述べるには1枚は使うな…」という仕分けをやっていくわけです。そうすると、5枚半の残り枚数がどんどん少なくなっていくので、「じゃあ、この論点は半枚で終わらせないといけないな」というように、5枚半の使い方が決まります。
当然、最初の構成の段階で、残り時間が45分しかなければ、4枚半を分配していくことになります。

そして、構成の見出しの横に赤ペンで何時何分までにその項目に入っていればいいかを書いておきます。
例えば、「第1」の「1」に1枚、「2」に1枚半枚使うなら、「第1」の「2」の横に、書き始める時刻から10分後の時刻を記載します。また、上記の分配であれば、書き始めてから25分後には「3」に入っていなければいけませんので、その時刻を「3」の横に書いておきます。

構成の項目の横に時間を書き終わったら、本文の作成開始です。
答案作成の途中で時計と答案の作成状況を見比べて、「遅れてるな」と思ったら、分量を減らせるところを減らし、「早く進んでるな」と思えば、少し膨らませられる部分も出てきます(大抵、遅れますが。)。

以上のようなことをやると時間を無駄なく使え、答案のバランスもよくなるので、効率よく点数を取れます。

私も当初は、構成が下書きのようになってしまい、時間がなくなって、途中までしか構成を立てずに本文を書き出したりしてしまっていました。しかし、試行錯誤の末、受験前の答案作成を何度もやる時期には上記のようなやり方を繰り返し、本番でも実践しました。
結果、試験時間を30秒以上残したのは初日の選択科目だけで、その他の科目は全てギリギリまで試験時間を使って答案作成をすることができました。
(最後の論点については、まず結論を記載し、その後に理由を追記していく形を取れば、結論にたどり着かずに時間切れとなることはありません。心理的にも余裕を持って記載できます。)

論文試験は、問題の意味を理解し、一定の法的見解を導き出す必要がありますが、一定の法的見解を出すところまで出来ていても、その内容を答案として上手く表現できなければ試験には合格できません。
むしろ、後者の表現力や事務処理能力も法律家の重要な素養として求められているのではないでしょうか。

そのため、限られた試験時間をしっかり管理し、効率よく答案作成することも意識すべきです。

ご要望があれば、また有益情報を発信していきます。

TEL:03-6280-8302
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