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2014.05.28

司法試験の受験回数制限緩和

司法試験法が改正され、受験の回数制限が3回から5回に緩和されました。

来年から施行され、来年の試験時に「法科大学院卒業後5年以内」であれば、一度、三振した人でも5回まで受験できるそうです。
(今までは卒業後5年以内に3回の受験回数制限だったのですが、3回の受験に失敗して受験できなくなってしまうことを業界では「三振」と呼んでいます。)

近時、司法試験の志願者は減少しているのですが、弁護士の就職難のほか、受験回数の少なさも敬遠される要因となっていることを受け、上記改正がなされたとのことです。

一度、三振した人の中でも、来年、受験資格が復活して合格する人が出てくるでしょうし、来年には卒業後5年を経過していて受験できない人もいるでしょう。

司法試験の一連の制度改革を見ていると、司法試験を管轄する法務省と法科大学院を管轄する文科省の連携が不十分であったこと等も一因となって、制度全体が当初の想定と大幅にずれた方向に進んでしまっています。
(例えば、法務省の想定する司法試験合格率をあまり考えずに文科省が多くの法科大学院に設置の認可を出してしまったことから、司法試験合格者数と法科大学院の定員数が合わず、合格率が低迷する等)

その後は対症療法的な措置を繰り返すばかりで、関係各所のトップの見解が変われば方針が変わる…。
司法制度改革で人生を翻弄された人は多数います。

法律相談の際に、司法試験制度について質問されることも多いのですが、制度内容をご存じない方が非常に多いです。
法律家をより身近な存在にするためには、制度内容をもっと国民一般に知ってもらう必要がありますし、そうすることで、法律家になれなかった人に対する理解も深まり、活躍の場が出てくるのだと思います。

法律家を身近な存在として活用し、法律家になれなかった人にも活躍の場を用意できれば、結果、社会全体に法的知識、法的思考が浸透し、全体の利益になります。

私も微力ながら皆様のお役に立てるよう、今後も司法に関する制度・知識や法的思考方法、身近な事例の紹介等々、継続的に情報発信していきます。

TEL:03-6280-8302
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