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2014.05.13

弁護士の説明の大切さ

法律相談を受けた際、まず、ひと通り事情を聴いた後、弁護士の法的見解を示して、現状の説明をし、今後の方針を協議していきます。

上記過程で、相談者に対して不利なことであったり、相談者の気分を害してしまう可能性があっても、実現不可能なことは実現不可能とはっきり伝えたり、相談者が法律に違反していたら、違反しているから是正する必要があるということをきちんと伝えることが非常に大事になります。

例えば、従業員から残業代請求をされている企業の相談を受けることがよくありますが、その際、中小企業のオーナー社長だと、ご自分も残業代の支払いなど受けずに働いてきた経緯があるので、「お世話になっている会社に対してキバを剥いて残業代請求をするなどけしからん」と考えておられる方が結構多いです。

しかし、労働基準法上、残業をさせればその分を残業代として払わなければならないと定められておりますので、これに違反すれば、違法な行為であるとして処罰の対象にもなりかねないのです。
ここは感情論とは別次元の話です。

「給与に残業代は含まれている」とご主張されることもありますが、そうであれば、そのように就業規則や雇用契約書に明記しておく必要があります。

このような場合には、弁護士は、社長さんに対して、きちんと「現状は違法であること」をご説明し、一定の残業代は支払ったうえで、今後、不要なトラブルが発生しないよう、当該会社の活動実態に即した労務管理についてアドバイスをしていくことになります。

社長さんの勢いに負けて、「(実は違法だけど)おっしゃっていることは分かりますので、争うだけ争いましょう」などとあいまいな態度をとってしまうと、結局、裁判手続きに持ち込まれて判決が下されてしまったり(当然、会社の敗訴判決です。)、労基署にかけこまれて呼び出されてしまったりしますので、結局、会社の時間、費用、労力が取られるうえ、一度、期待した社長さんの気持ちも収まりがつかなくなってしまいます。
そのようなことになれば、誰のためにもなりません。

以上のように、弁護士は、時として相談者の耳に痛いお話をすることもありますが(笑)、上記のような意図がありますので、よく話の趣旨を聞いて、アドバイスをご自分に有利に利用できるようにするのが効率的だと思います。

TEL:03-6280-8302
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