ビジネス雑誌掲載記事について
こんにちは。
先日、タレントの矢部美穂さんの取材を受け、ビジネス雑誌カンパニータンク6月号に私の記事が掲載されたのですが、その後、知人から記事内容について聞かれたり、「カンパニータンクの記事を見た」と言って問い合わせの電話がかかってきたりしました。
弁護士がカンパニータンクのようなビジネス雑誌に掲載されているのは珍しかったようです。
私も同誌の他の経営者さんの記事を読みましたが、参考になる点が満載でしたので、皆さんも是非、読んでみて下さい。
引き続き、中小企業法務には磨きをかけていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
<カンパニータンク 2014年6月号(国際情報マネジメント有限会社 発行)>
労働時間管理
私は、労働事件を扱うことが多いのですが、労務管理がきちんとできていない会社の多くはタイムカードの使い方を間違えています。
皆さん、どの程度、実感されているかは分かりませんが、中小企業では残業代が支給されていない会社も多いです。
単に支給されていないのではなくて、きちんと会社のシステムとして、残業代に充当される手当が支給されていたり、残業代が発生しない制度を導入している場合は問題ありません。
しかし、「企業には労働時間把握義務があるから、何となくタイムカードは使用している」「しかし、タイムカードは出勤簿と化していて、各従業員が打刻せずに、最後に退社する者がまとめて打刻する…」というような誤った運用をしている会社もあります。
多くの会社は、後にトラブルが発生すると、「タイムカードの打刻時間どおりに仕事をしていたわけではない」「日中もさぼっている」等々の主張をされるのですが、労働審判や訴訟になると、裁判官から「タイムカードは労働時間を把握するために使用するものですから、タイムカードの打刻どおりに労働していたと見られても仕方ないですよ」と一蹴されてしまいます。
タイムカードの運用次第では、実際の労働時間よりも長い労働をさせていたと判断されて、高額の残業代支払を命じられることもあるのです。
一時期と異なり、昨今は労働問題の関心が高まり、企業にはきちんとした労務管理が求められています。
企業は、会社自体を守るためにも適切な労務管理を行うべきでしょう。
労働関係法規に定められた各種制度は色々なものがありますので、弁護士に相談して、自らの会社の活動実態に即した人事労務体制を構築して下さい。
日本が勝ち上がる条件
今朝、日本がギリシャと引き分けたので落胆している方も多いのではないでしょうか。
(もちろん、サッカーW杯の話です。)
グループリーグ(以下「Gリーグ」)突破の目がかなり薄くなりましたからね。
では、具体的にはどのような条件が整えば日本はGリーグを突破できるのかを整理しましょう。
現段階で、コロンビアは既に突破を確定させており、コートジボワール、日本、ギリシャが勝ち残りをかけています。
まず、勝ち点がどうなるかを見ていきます。
日本はコロンビアに勝つことが絶対条件ですので、コロンビアに勝つ前提で話をします。
そのため、日本の勝ち点は、現在有している勝ち点1と次戦で獲得する予定の3を加えて勝ち点4になります。
コートジボワールは現在、勝ち点3
ギリシャは勝ち点1です。
①次戦、コートジボワールがギリシャに勝つと、勝ち点6になるので、日本は終戦です。
なので、皆さん、ギリシャを必死に応援しましょう。
②ギリシャとコートジボワールが引き分けた場合、日本はコートジボワールと勝ち点4で並びます。
そのため、得失点差の勝負になるのですが、コートジボワールは最終戦に引き分けていますので、得失点差は現状と同じ0です。
日本は現在、得失点差-1ですので、コロンビアに2点差以上つけて勝てばGリーグを突破できます。
仮に1点差だった場合、総得点が多い方が勝ち進みます。
現状、日本は総得点1、コートジボワールは3ですので、総得点での勝負は分が悪いですね。
仮に総得点が同じだった場合は直接対決の結果で決まりますが、日本は初戦でコートジボワールに負けていますので、得失点差か総得点でコートジボワールを上回っておく必要があります。
③ギリシャがコートジボワールに勝った場合、日本は勝ち点4でギリシャと並びます。
この場合、得失点差での勝負になりますが、ギリシャは初戦、コロンビアに3-0で負けていて、現状の得失点差は-3ですので、この点は日本が有利です。
日本はコロンビアに1点差しかつけられなかったとしてもGリーグを突破できる可能性は高いのではないでしょうか。
Gリーグ最終戦は、2試合同時に開始しますので、途中経過を見ながらの戦いになりますね。
ちなみに、日本がコロンビアに2-1で勝って、ギリシャがコートジボワールに3-0で勝った場合、
日本とギリシャは、勝ち点、得失点差、総得点が同じで、直接対決の結果はスコアレスドローですので、順位を決められません。
この場合、どうなるか…。
何と抽選で決めるらしいです(笑)
私の秘書は、今朝、銀座のカラオケで日本戦を観戦してから出勤したそうです。
詳しく話を聞くと、カラオケがパーティールームで飲み物等を出して観客を募っているらしいですね。
飲食店等はW杯をビジネスチャンスと捉えて色々と試みているんですね。
心なしか法律事務所は電話が少なく、法律相談に訪れる方も少ない気がします(笑)
次回はまた法律実務のお話をしていきます…。
法科大学院制度の崩壊
先日、新聞に予備試験の受験者数が法科大学院受験者数を超えたとの記事が掲載されていました。
法科大学院制度の崩壊ともいうべき事態ですので、本日はこのことについてコメントします。
現在の司法試験は、原則として法科大学院卒業者に受験資格が与えられます。
ただ、受験資格を法科大学院卒業者だけに限ってしまうと経済的な理由で司法試験を受験できない人が出てきてしまうことから、予備試験という「司法試験の受験資格を得るための試験」が制度として用意されています。
この予備試験が、今、物議を醸しています。
本来、予備試験は経済的に困窮している人のための例外的措置のはずだったのですが、正規ルートの法科大学院だと、2年ないし3年の時間と高額の学費がかかってしまうため、予備試験に受験者が殺到しているのです。
また、予備試験合格者の司法試験合格率が法科大学院卒業者の司法試験合格率と比べてかなり高くなっていることや(予:60~70%、法:20~30%)、弁護士を雇う法律事務所側でも「予備試験ルートの合格者は優秀だ」と考え、予備試験組獲得のためにやっきになっていることも受験者数増加を後押ししています。
弁護士の就職難の時代において、予備試験組は優秀の証であり、一種の高級ブランド品になった一方で、正規ルートの法科大学院では、学生が確保できず、閉鎖する学校も増加してきている始末です。
このように、法科大学院制度は崩壊寸前(もう「崩壊している」と言っていい状況)なのですが、これでは正規ルートの法科大学院組がバカを見てしまいますよね…。
制度設計の不備としかいいようがないです。
ただ、実際に実務に出てクライアントに接する段階では、予備試験組だろうと法科大学院組だろうと関係ありません。
クライアントとしっかりコミュニケーションを取り、顧客満足度の高い仕事ができるかが全てです。
私は初期の法科大学院組であり、高学歴でもないので、ブランドに頼ることはできないのですが、人間力で勝負しています(笑)
負けるな、法科大学院組!
弁護士業務と弁護士会への登録
司法試験に合格し、司法修習を終えた者が弁護士業務を行うには、弁護士会に登録しなければいけません。
いくら司法試験に合格していても、弁護士会に登録していないのに弁護士業務を行うと、弁護士法違反で刑罰の対象となってしまいます。
そして、弁護士会に登録するには、毎月、弁護士会に会費を納める必要があります。
弁護士は、事務所所在地によって、各都道府県の弁護士会に所属することになります。
弁護士会費の額は、所属している弁護士会によって異なりますが、東京だと、登録後、5年目に入った弁護士は、毎月約4~5万円の会費を支払っています。
会費を支払わないと弁護士登録できないため、皆、会費は必死に支払ます(笑)
では、そうやって集められた会費は何に使われているか…。
会員から集めた会費によって、弁護士会を運営し、各種委員会を開催して法律実務や法制度の研究が行われたり、後進を育成するための資金が賄われています。
また、当番弁護士制度といって、逮捕された人が初回だけ無料で弁護士の面会を受けられる制度があるのですが、これは弁護士会が運営しており、当番弁護士の出動日当は弁護士会費から支払われています。
弁護士会は大きな組織ですし、社会に対する責任も大きいので、その運営には多額のお金がかかるのですね…。
ただ、弁護士の就職難、ワーキングプアの問題が報道されているように、特に若手弁護士にとっては毎月の弁護士会費の支払いは頭の痛い問題となっています。
皆様に司法業界のことをよく知っていただくため、今後も各種リアルな情報を発信していきたいと思います。
梅雨入りとネクタイ
こんにちは。
東京は今月初旬に梅雨入りし、雨の日が続いていますね。
徐々に気温も上がり、ムシムシして汗ばむ天気になっています。
このような気候になると、スーツの上着やネクタイがうっとおしくなりますが(笑)、最近はクールビズが定着し、あまりネクタイ等にうるさくなくなっていますので、通勤時、銀座・新橋あたりを歩いていても、様々な恰好の人を見かけます。
私も暑がりなので、梅雨や夏にネクタイをするのは好きじゃないのですが、弁護士はお堅い職業だと思われていますし、あまりいい加減だと思われたら困るというのもあって、初めて法律相談に来られる方とお会いするときには、なるべくネクタイをつけるようにしています。
ただ、打合せに来られる方は皆さん軽装なので、こちらもあまり暑苦しい恰好をしない方がいいかもしれませんね(笑)
今日は、雨がひどいからか、問い合わせも少なく、仕事帰りに法律相談に寄って帰る方もいらっしゃらないようですので、私もそろそろ店じまいにします。
また明日から高温多湿に負けず、頑張りましょう!
示談書(合意書)作成時の注意点
トラブルが発生して示談をする際、合意内容を残すために示談書(合意書)を作成します。
そのとき、当該示談で全て終わりにする、という場合は、「清算条項」を盛り込みます。
「清算条項」とは、当該示談書に定める以外に何らの債権債務もありませんよ、とお互いに確認する条項のことです。
示談書作成の際に、清算条項を入れなければ、紛争の最終解決にならないと認識してらっしゃる方は意外に多いのですが、その内容を正確に理解しておかなければ、後に紛争が蒸し返されることがあるので、次のような注意が必要です。
示談書の冒頭に事件を特定する文章を入れることがあります。
「甲が乙に対して○○したことによって、乙に■■の損害が発生したこと(以下、「本件」という。)に関し、甲と乙は以下のとおり合意した。」等という文章です。
この際、事件を「本件」として特定したうえ、清算条項で「本件に関し、何らの債権債務のないことを確認する」と記載してしまうと、「本件以外の債権債務は残っている」ことを含意していると見られてしまいます。
もちろん、一般の方はそこまで厳密に認識しないまま示談書を作成していることがほとんどだと思いますが、仮に法律家が作成した書面であれば、上記のような見方をされてしまうでしょう。
一切の債権債務関係をなくしたことを明確にしたければ、清算条項に「本件に関し」という文言は入れず、「甲と乙は、本合意書に定めるほか、甲と乙の間に何らの債権債務がないことを相互に確認する」と記載すべきです。
元々、「本件に関し」という文言は、「本件」以外に借金関係があったり、賃貸借関係が存在する等、他の権利関係が継続している場合に、示談書が「本件」以外の権利関係に影響を及ぼさないようにするために入れられる文言なのですが、以前、法律相談を受けた際、全てについて解決するつもりで合意書を作成したのに、間違えて清算条項に「本件に関し」と記載してしまったがために、後から紛争を蒸し返されてしまった方がいました。
中途半端な知識で示談書を作成すると、紛争がきちんと解決しないことがありますので、示談書等の重要な書面を作成する場合は、弁護士によく相談しましょう。
交渉案件や示談書作成に関してお困りの場合は、弁護士瓦林道広までご連絡下さい。
事務局のお仕事について
「法律事務所で働いています」というと、どんな仕事をしているのかと聞かれることが多いので、初回ブログは法律事務職員の仕事内容について書いていきたいと思います。
まず、事務局の主な仕事は、裁判所に提出する書類や依頼者の方にお渡しする書類等の準備・作成です。
読みやすく、正確な情報が伝わる書類作成ができるよう工夫しながら作成しています。
自分が作成した書類が手続等に使われ、依頼者の方のご相談事を解決するために役立っていると実感することが日々のやる気につながります。
また、訴訟提起(「提訴」といいます)や書類の受け渡し等のために裁判所へ行くことも多いです。
提訴の際、書類一式を裁判所の受付に提出し、訂正する部分がないかを書記官にチェックしてもらうのですが、その間は、無事に書類が受理されるか少し緊張しながら待ちます。
訂正がある場合でも、二重線の上から訂正印として弁護士の職印(弁護士が弁護士会に登録している実印のようなものを「職印」といいます)を押せばOKですが、職鑑を持っていないと、事務所に持ち帰り内容を修正後、再提出ということになってしまい、大幅な時間ロスです。
こうしたことが起こらないよう、裁判所へ出かける時は必ず弁護士の職印を握りしめていきます。職印は、迅速な手続きのためのお守りのような存在です。
また、依頼者の方に電話やメールでご連絡を差し上げたり、ご来所された際にお部屋にお通ししたりするのも、事務局の仕事です。
何度かご連絡を差し上げるうちに依頼者の方に覚えていただき、対応についてお褒めの言葉をいただいた時は大変うれしく感じました。
事務局は裏方仕事かと思いきや、意外とご依頼者の方と直接の接触を持つ場面があります。
そのため、私自身も、少しでも悩みを抱えた皆様のお役に立てるよう、瓦林をサポートし、あるいは、私自身が直接ご依頼者の方と接する場面でも誠意を持った対応を心掛けたいと考えています。
今回は法律事務職員のお仕事を少しだけご紹介しましたが、皆様に当事務所をより身近に感じていただくため、継続的に情報発信していきたいと思います。
よろしくお願いいたします!
ビジネス雑誌掲載のお知らせ
先日、経営者を紹介する雑誌の取材を受けました。
矢部美穂さんがインタビュアーだったのですが、法律事務所の経営のことや弁護士としての在り方等について色々とお話をしました。
他のたくさんの経営者の方(主に中小企業)と共に紹介された雑誌が店頭に並びましたので、興味のある方は是非、ご覧になって下さい。
私の掲載ページは下記のとおりです。
<カンパニータンク 2014年6月号(国際情報マネジメント有限会社 発行)>
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司法試験の受験回数制限緩和
司法試験法が改正され、受験の回数制限が3回から5回に緩和されました。
来年から施行され、来年の試験時に「法科大学院卒業後5年以内」であれば、一度、三振した人でも5回まで受験できるそうです。
(今までは卒業後5年以内に3回の受験回数制限だったのですが、3回の受験に失敗して受験できなくなってしまうことを業界では「三振」と呼んでいます。)
近時、司法試験の志願者は減少しているのですが、弁護士の就職難のほか、受験回数の少なさも敬遠される要因となっていることを受け、上記改正がなされたとのことです。
一度、三振した人の中でも、来年、受験資格が復活して合格する人が出てくるでしょうし、来年には卒業後5年を経過していて受験できない人もいるでしょう。
司法試験の一連の制度改革を見ていると、司法試験を管轄する法務省と法科大学院を管轄する文科省の連携が不十分であったこと等も一因となって、制度全体が当初の想定と大幅にずれた方向に進んでしまっています。
(例えば、法務省の想定する司法試験合格率をあまり考えずに文科省が多くの法科大学院に設置の認可を出してしまったことから、司法試験合格者数と法科大学院の定員数が合わず、合格率が低迷する等)
その後は対症療法的な措置を繰り返すばかりで、関係各所のトップの見解が変われば方針が変わる…。
司法制度改革で人生を翻弄された人は多数います。
法律相談の際に、司法試験制度について質問されることも多いのですが、制度内容をご存じない方が非常に多いです。
法律家をより身近な存在にするためには、制度内容をもっと国民一般に知ってもらう必要がありますし、そうすることで、法律家になれなかった人に対する理解も深まり、活躍の場が出てくるのだと思います。
法律家を身近な存在として活用し、法律家になれなかった人にも活躍の場を用意できれば、結果、社会全体に法的知識、法的思考が浸透し、全体の利益になります。
私も微力ながら皆様のお役に立てるよう、今後も司法に関する制度・知識や法的思考方法、身近な事例の紹介等々、継続的に情報発信していきます。