刑事事件における弁護士の役割といえば、通常は、被告人(犯罪を犯した疑いがあり、裁判にかけられている人)の弁護というものを想像すると思います。
しかし、近年の刑事弁護活動の中には、弁護人以外に、被害者側の代理人というものも出てきています。
現在の刑事裁判においては、被害者参加制度というものが設けられています。
これは、犯罪被害者となった方や、そのご遺族が少しでも刑事裁判に関われるようにするための制度です。
(全ての事件で参加できるわけではなく、一定の重大犯罪の被害者に限ります。)
しかし、法律の専門家でないと参加手続きやこれに関連した手続きを行うことが難しいため、弁護士が被害者の代理人として刑事裁判に関わるのです。
重大犯罪の被害者となってしまった場合、刑事事件の被害者というだけでなく、損害賠償の当事者となることもあります。
また、仮に犯罪によって被害者が亡くなった場合は、遺産の整理等も行う必要がありますので、行わなければならない手続きは本当に複雑です。
もしも犯罪被害に遭ってしまったら、法律相談の際に色々な手続きについてしっかりと説明を受けたうえで方針を決めた方がよいでしょう。